あてもなく備忘録。| キリン

気が向いたら書きます。

非カラットがセブチのライブに行った話。

 

セブチのライブに行きました

12月3日、多分いま日本で最もチケットが取りにくいであろうKpopグループ、SEVENTEENの名古屋ライブに行ってきた。

 

わたは彼らの曲をいくつか気に入って聞いてはいるものの、カラット(ファン)とは到底名乗れないただの激浅リスナーなのだが、カラットの友達が2枚当選したから一緒に行こうといってくれたのでありがたく同行させていただくことにした。

 

しかし、SEVENTEENといえば今をときめく大人気超実力派アイドルであることくらい私も知っているし、きっと私のこの席は誰かが喉から手が出るほど欲しかった席なんだろうということくらい分かる。私だって倍率エベレストの自推しライブにメンバーの名前も覚えてないようなやつが来たら「その席私にくれ…!!」と内心穏やかではいられないだろう。

 

ちなみにライブに行くことが決まる前の時点での私のレベルは、

・FNS歌謡祭でやってた24Hで初めてSEVENTEENのパフォーマンスを見た。曲もパフォーマンスもかっこいいすごい人たち

・メンバーの顔と名前は一致してないけど、ブスングァンさんとTwiceの超絶気まずいエピソードだけはなぜか知ってる

 

という程度の認識の、ごくごくありふれた非カラット。

 

これではあまりにもあまりだと思い、SEVENTEENとカラットの皆様への最低限の礼儀として、いろんな動画を見てメンバーの皆さんの名前とチームを覚え、過去曲をできるだけたくさん聴き、Face The Sunアルバムの曲を何度も通しで聞いて覚えてから参加することにした。

せっかくのまたとない機会だから100%楽しまないと損だ。

 

こんな調子でカラット棒すら持っていない完全アウェイな非カラットが、いざ名古屋バンテリンドームへ!

ということで、ここからはど素人の目から見たSEVENTEENの話になります。気はつけましたが、無知ゆえにご無礼があったらこっそり教えていただけるとありがたいです。お手柔らかにお願いします。

 

まずお詫び──無双のドギョムさん

しょっぱなからこう言うと誤解を招きそうだが、HOTから始まってMarch、HITと続いた最初の3曲の間、私は彼らのことを心のどこかで疑っていた。

もちろんめちゃめちゃ楽しんでいたし、13人の発する気迫と熱気に圧倒されてかなり盛り上がっていたが、あまりにも声が良すぎる。歌がうますぎる。こんなにガンガンに踊っていて、なぜドーム中にこんなにも安定した力強い声が響き渡ってるのか?これはもしかして口パクなのでは……?こんなん生歌でできる人間いないでしょ……?セブチが歌上手いのは知ってるけどさすがにこれはさぁ……

 

ふと一瞬頭をよぎった疑いは、その次の瞬間ドギョムさんが歩きながら突然おもむろにものすごい声を出したことで跡形もなく消えた。オペラ歌手顔負けなんじゃないかってくらいの(いい意味で)えげつない高音で「アアアアアアアア」と名古屋ドームを震わせるドギョムさん。今の何?

 

しかもこれが一度や二度ではないのである。

その後もドギョムさんはテンションが上がるたびに今まで聞いたことないような素晴らしく力強いアドリブ高音を自由自在に発しつづける。私はといえば、頭を突き抜けるような感覚に圧倒されて言葉も出ない。

しかも怖いのが、ご本人はいたって平然として楽しそうにニコニコしているのである。「ついにいくぞ…頑張るぞ…」感もなければ「出し切ったぜ…!」感もなく、「え〜たのし〜〜!」みたいなノリで。この人何?

 

すみませんでした。一瞬でも疑ってすみませんでした。マイクONなのはもう分かったから許して。

 

だがん

激しい曲調の3曲でド派手なオープニングを飾った後、オープニングメントが始まり、メンバーの皆さんがそれぞれ自己紹介をしていく。

 

メントの順番は忘れたが、観ているとどうやら「キャァ」という悲鳴(無歓声ライブなので控えめに)が上がるメンバーと、「あぁ…(かあいい...)」という溶け落ちるようなため息が聞こえるメンバーに分かれているようだ。私もオタクなのでなんとなくわかる。

 

名古屋公演だったので恒例のご当地トークがはじまり、ホシさんが超絶キュートな「だがん♡」をかましたものの、カラットさんたちはみな呆気に取られていたのかリアクションが無い。「だがんって言えば大ウケ間違いなしだってスタッフさんがさっき教えてくれたのに〜!」とこぼすホシさん。かわいそうに。かわいい。

他のメンバーの皆さんも面白がってなにかとだがんだがん連発する。多分「だがん」にこんな可愛さを見出すことは後にも先にもないだろう。

 

名古屋人の親戚に聞いたが「だがん」は別にそんな可愛い言葉などではないらしい。ホシさんが言うということが大事なのである。

 

メンバーの皆さんやたら味噌と手羽先とひつまぶしの話をする。

ドギョムさんにいたっては「ひつまぶしドギョムです」「ひつまぶしです」と途中からもはやひつまぶしそのものになってしまっていたし、カラットの皆さんが目に見えて和んでいる。かわいい。

 

セブチは良曲しかない説はホント

最初から最後まで良曲しかない。知ってたけど改めて衝撃を受ける曲の良さ。スピーカーからガンガン流れてくる音の全てが感覚にピタッとハマるのである。サウンドも好きなら構成も好き。ありとあらゆる要素が天才的に良い。しかもジャンルが多様で全部楽しい。

 

ライブ中ずっとお地蔵さんのように慈悲深い微笑みを浮かべておられたウジさんがプロデューサーなのは知ってたけど、後でクレジット見たらウジさん以外の皆さんもめちゃくちゃ参加してて「何だこの人たち〜〜!!」てなった。(遅い)

なにより、メンバーの皆さんが本当に音楽を愛してるであろうことが舞台から伝わってくる。うまく説明できないけどとにかく伝わってきた。

 

万能バーノンさん

バーノンさんのことを私は「めちゃくちゃかっこいい声のラッパー」だと一般的に認識していたのだが、あの人の正体は一体何なのか誰か教えてほしい。

 

顔が素晴らしいのはもう見たら分かるので省略するが、歌を歌うとなれば芯の通った超絶イケボで低音から高音までしっかりこなすし、踊るとなれば遠目に見ても分かるキレの良いパワフルな身のこなしを披露する。万能というのはこういう人を言うのかと舌を巻いた。

今回私の席はアリーナの外側をぐるっと囲む場所だったので(図参照)、正直メンバーの皆さんの顔は「白い点があるな」くらいにしか見えない位置だったのだが、そこで見ていても彼の存在感は圧倒的だった。

彼がもともとどれくらいのポテンシャルを持ってアイドルを始めたのか知らないが、きっとそこから並々ならぬ努力を重ねてこられたんだろうと容易に想像がつく。

バーノンさんのパフォーマーとしてのこれからに光あれと願わずにはいられない。

 

ミンハオペンの皆さんはご無事ですか???

絶対無事なわけないと思う。 

すごいなと思ったのが、ミンハオさんがカメラに抜かれるたび、空気が一瞬変わること。皆さんそれぞれ百戦錬磨のオーラをまとっておられたが、ミンハオさんはなんというか、なんだろうあの人……

あの目つきで一瞥されると舞台が完全にミンハオさんのものになるのである。

妖術でも使ってんのかというくらい麗しく「舞う」ミンハオさん。圧倒されるしかない。

どの曲の時だったか記憶にないのだが、一瞬彼が少し首を傾げてカメラにちらりとなんともいえない妖しげな視線をやった時のご尊顔が頭から離れない。

 

気がつけば遠くに見える舞台上の13人の豆粒の中で目を凝らしてミンハオさんを探しているし、彼がカメラを見つめるたびに「ひえぇ」みたいな声が漏れる。

 

ダンスが上手いと聞いてはいたけど、ダンスのスキルという意味だけではなく「舞台上で自分を使って魅せる」ということがとても上手な方なんだと思った。

 

ジュンさんありがとう

肉眼では遠すぎて誰が誰かほぼ分からなかったので、パフォーマンス中にスクリーンとステージを見比べて答え合わせをするしかなかったのだが、他のメンバーの皆さんが全員黒髪な中で一人だけエルサみたいなド金髪だったジュンさん。ありがとう。あなただけは肉眼でもとても分かりやすかったです。あと三つ編みのエクステをつけたのは大正解だったと思います。

 

一瞬で通り過ぎていくゴリゴリのラッパーたち

セブチのラッパーの皆さん(リーダーのエスクプスさん、ウォヌさん、ミンギュさん、バーノンさん)はそれぞれ実力派揃いなのは知っていたので、今回ラップを聴けるのをとても楽しみにしていた。そして彼らはその期待を軽々と超えてきた。

深くて強い声と飽きる暇もなく展開されるフロウ。無歓声じゃなかったらきっと彼らの素晴らしいパフォーマンスに敬意を込めて腹の底から歓声を送っていたが、そういうわけにもいかないのでハリセンがボロボロになるくらい叩きまくった。届けこの気持ち。

やばい、耳が楽しい、もっと聴きたい、もっと…!と思った頃には終わっていてびっくりした。そりゃみんなライブ応募するわ。


マンセ・Left & Right・아주 Nice ─スングァンさんを信頼してます

みんなこの辺大好きでしょ?知らんけど!私は好きです!

この辺はもうテンションガン上げである。現場が楽しすぎると記憶飛ぶオタクあるあるで、正直楽しすぎて細かいことはほぼ覚えてない。超たのしかったという漠然とした記憶だけが残ってる。隣の人に肘がぶつからない程度に控えめにリズムに合わせて踊っていたが、もうちょいスペースあったら絶対全身で踊り狂ってたと思う。

 

カラットの皆さんのみならずKpop界全体の信頼を誇っているであろうスングァンさんの歌唱力、Left & Rightのキリングパートでしっかり発揮されてて激沸いた。

カラットを自称してない私でさえ思わず昇天しそうになったくらいだから、スングァンペンの皆さんは一体どんな心地で聞いておられたのかと想像もつかない。スングァンさんだけじゃなくボーカルの皆さん全員そうだけど、信じて聴く歌手というのはまさに彼(ら)のようなことを言うのだと心の底から思った。

 

あれは誰?

メンバーの皆さん本当に日本語がお上手で、メンバー同士で日本語でコミカルに会話して会場の雰囲気を盛り上げたり、「名古屋カラットちゃん、ほんとにキレイです!」とかこちらが思わず照れてしまうような愛に溢れた言葉を流暢にスラスラと発しておられた。

そんな中「ん!?」と気になったのは、ときどき異質なほどネイティブばりの合いの手がナチュラルに挟まれていたこと。

とても丁寧な言葉遣いでわちゃわちゃする皆さんの中で突然、異様にこなれたイントネーションの「何やってんだお前」とかいう合いの手が入るのである。今の誰?

気になってしかたないのでカラットの皆さんよければ教えてください…

 

お尻フリフリ

遠くに小さく見えるホシさんが、ステージの真ん中で「お尻ぱんぱん」という歌詞を歌いながら腰ひねってお尻振ってたのをこの目で見ました。それだけです。

 

名古屋ドームをまとめて射抜くウォヌさん

何の曲の時だっけ…めちゃくちゃかっこいい系の曲の時…ウォヌさんがものすごい気迫のこもった目でカメラをまっすぐ見つめて吐き捨てるようにラップしたの…何の時だっけ…くそ…動揺しすぎて記憶が出てこない…とにかくすごかったです……

なのにそのあとトロッコで近くに回ってきたウォヌさんめちゃくちゃ優しい顔で客席を見つめておられて死ぬかとおもた。

 

心優しいセブチの皆さん

今回のライブで印象的だったのは、メンバーの皆さんが驚くほど優しいということ。

単に物腰が優しいとかいうレベルの話ではない。芯から心根が優しいのである。

「遠くの方の席からは粒みたいに小さい僕たちしか見えないのにわざわざきてくださって本当にありがとう」と何度も言ってくださったが、いやいやあなたたちからはただ静かに立っている観客が見えてるかもしれないが、こちらからしたらガンガン歌い踊る麗しい集団が見えているので逆にこちらがありがとうです…。

 

超一流の素晴らしい音楽と会場全体の熱気を全身で楽しませてもらったので、私としてはそれだけで来た価値は十分である。ほんとうにありがたい。

 

誰だったか忘れたけど、ファンに感謝の言葉を述べるときに「来てくれた皆さん」だけではなく「僕たちを好きでいてくれる皆さん」まできちんと言及されたのはさすがだと思った。

ライブに来れなかったカラットの方も取り残さず、また「カラットと名乗っていいのかな…」という微妙なラインにいる方や、私のように知識は激浅ながら彼らの音楽が好きな人にまで手を伸ばす言葉選びに、胸がほっこりと温かくなった。

 

ちなみに、メンバーの皆さんがずっとファンの方を「カラットちゃんたち」とおっしゃってたのもあり、なんとなく多分女性が主なファン層として想定されてるのかなと思ったけど、会場には女性ではない方も少数ながらチラホラ見受けられた。

圧倒的に女性に見える方が多かったけど、もしかしたら「女じゃないからライブ行くのハードル高いな…」と思ってる方がおられるかもしれないので、そういう方も行きやすい空気感のファンダムであってほしいなと非常にお節介ながら思う。あんなに良いアーティストなんだから、性別が原因で「好き」が阻まれるようなことがあったらもったいない。

 

そろそろ終わると思ったでしょ?

終わらん。

 

ベストアーティスト2022のテレビ中継が終わって「もうさすがにこれで終わるかな」と思ったら、全然終わらん。この時点でライブ開始からすでに3時間は超えてたはず。

 

たしか5、6回くらい「チリンチリーーン!」をやった。多分あと1週間は頭にこびりつくであろうチリンチリーーン。

が終わったと思ったら今度は怒涛の아주 Niceループに引きずり込まれる名古屋ドーム。

全然終わらん。永遠に続くアジュナイス。めちゃめちゃ楽しいけど果てしなく続くアジュナイス。今夜の夢にも出そうなアジュナイス。麻薬の如くクセになるアジュナイス。とにもかくにもアジュナイス。なにがなんでもアジュナイス。

「プレディスの練習生になったらまずこれをやらないと」「みなさん次のライブの時までにこれを毎日4時間練習してきてくださいね〜!」と鬼のような指令が下され、名古屋ドームで数万の観客相手にバウンス講座が始まるという(多分)前代未聞のライブ。

 

あんだけ全身全霊で何曲も何曲も連続で歌って踊って、最後テレビ中継までして、私なんかはこの時すでに最初の方の数曲の記憶が薄れつつある頃である。

その後でこんな運動部のおふざけノリみたいなのを延々とやる恐ろしい体力。ここまでくるとほぼ狂気の沙汰である。

 

カラットの皆さんもよく頑張ったと思う。

大盛り上がりでライブが終わって時計を見たら9時を過ぎていた。開始が5時過ぎだったから、なんとほぼ4時間ぶっ続けである。そんなヤバいライブ聞いた事ない。

 

ライブ中は空腹も疲れも全く感じなかったのに、終わって会場から出た瞬間急に全てが緩んだのか空腹と腰の疲れが一気にドッと襲ってきて、思わず駅前のコンビニに駆け込んで東海限定の味噌煮込みどんと焼きそばパンを買ってしまった。そりゃそうだ。

 

感謝と応援の気持ち

ライブが終わった今、ぼんやりと余韻を引きずりながら思うのは、とにかくSEVENTEENの皆さんが望むものを得て望むようにやってくれたらいいなということ。

私は彼らの歩んできた道のりをほとんどよく知らない。

でも、そんな私でも、SEVENTEENの皆さんはあんなに素晴らしいパフォーマンスをしてくれて、たくさんの人の心に純粋な幸せを届けてくれる人たちなのだということははっきりと分かった。そしてその道がきっと簡単ではなかったことも、彼らの気迫や口ぶりから想像がつく。

それが大きな賞であれ名誉であれファンの愛であれ健康であれ、彼らがアーティストとして得るにふさわしいものは全部手にしてほしい。そうする資格がある人たちだ。

本当に心からSEVENTEENの皆さんの道がこれからも末長くご本人たちが望む限り続くことを祈って、皆さんへの感謝の言葉としたいと思う。

 

地元に帰る道中でこれを書いているが、書くの疲れたのでこの辺で一旦おしまいに。

全メンバー個別に言及できなかったけど、書かなかっただけで実際ちゃんと全員に対して平等に沸いてたってことはご理解いただけたら幸いです。はー楽しかった。

 

キリン